あこがれの  ホテルヨーロッパHTB

『萩ヨットレース2006』から帰港して間もないある夜
恒例の「WK」オーナーH氏宅でのコーヒータイム
「HTBヨットレースの案内が来てるゾ」とH氏
当初のスケジュールでは「阿波踊りヨットレース」見物を計画の
我がSMチームは参加メンバーの日程調整が難航中
翌日 早速メンバーに計画変更を連絡 参加を決定。

「ハウステンボスに行くよ!」:sm
「うわー私も行く!ホテルは?」:娘
「ホテルヨーロッパよ」:sm
「エッ! 私も休む!」:X
遅い盆休みを兼ねて家族5人を含む10人チームの遠征

「回航は任せなさい!!」:I君
「休みも取れたし3日有ればOKでしょう チャートや潮汐表の準備も
出来たし イメージではすでにHTBです」:I君

燃料の積込 予備パーツ 工具等の出航準備を終えて前夜船中泊
8月10日早朝 シングルハンドで出航したI君からの携帯電話に
対応したのが10時過ぎ トラブル発生から3時間
「今 美嚢崎沖 エンジントラブルでセーリング中」
「LOパイプ破損でオイル噴出し 応急処置中」
美嚢崎漁港へ緊急入港を指示し部品の調達
デーラーはすでに盆休みで調達は出来ない
まして1GMのパーツは通常在庫していない
同型エンジンのクラブオーナーに連絡
許可をもらって部品を取り外し艇に合流 破損部品を交換
1GMのLO(lub-oil 潤滑オイル)パイプはエンジン前側の海水
ポンプ下の位置するL型パイプ


  左 破損パイプ       右 新品パイプ


゛前回交換から2年 ちょっと早すぎる破損 鉄製
(ちなみに現在の補修用部品の材質は真鍮合金)
交換作業中座礁
緊急入港の防波堤は特に浅い
艇をロープで縛りつけひとまず撤収
折りからの激しい雷雨

夕刻 艇に戻りエンジン始動
安全な泊地に移動
「ピーと言う警告音と同時にエンジンを止めましたよ」:I君
《ピーと鳴ったら直ぐ止める!》
これは 鉄則
何だろう?と考えているうちに わずか2リットル強のオイルは噴出して
クランクメタルは焼け付く
「オートパイロットは2機とも壊れましたよ」:I君
早速分解
ST800はドライブギヤの脱落が再発
モーターシャフトに傷を入れて接着剤で挿入
今度はかなり硬い

拡大画像               拡大画像

AT50はモーターマウントのプラスチックが破損 修理不可能
「とりあえず これで出航してね」:sm
「ちょっと自信喪失気味 明日朝 考えましょう」:I君

翌朝出航したSMは国東半島北端 伊美港に入港
江原造船前岸壁に到着
車でI君をピックアップしたSの報告では
現地もかなり浅いとのこと
それにしても とにかく暑すぎる!

8月12日12時伊美港
近くのスーパーで食料飲料を調達14時出航
伊美港は姫島行きフェリーの連絡港
姫島水道の汐は逆汐 対地4ノット
サウナ風呂のような周防灘 対水5.5ノット対地4.5ノット
乗船前に調達した水分の消費量が想定を超える
アルコールは減らない(消費しない−念のため)
「舵」に目を通し 居眠りをしつつNHKの高校野球
時々冷たい飲料(これはビール)
なんと!デラックスな夏休み!

快晴の夏の夜は20時頃まで視認出来る
夜の帳が降りるまでには田ノ浦港に入港したい
対地もやや回復5.5ノット
薄暗くなった関門の山並みの向こう側で花火が始まった
花火にビール う〜ん 今日はツイテルナ
太刀浦手前部崎灯台まで5海里
ドズーンと鈍い衝撃が左舷ボトムに走る
ナンジャこりゃ!!と びっくり
左舷後方を振り返ると 冷蔵庫がゆっくり沈んでいった
流木 タイヤ ドラム缶 大雨の後は何でも有り
太刀浦海岸にべた寄りで走る
花火見物を終えた船団が先を競って走りすぎる
21時 田ノ浦港入港
地元ヨットに軒先をお借りする

8月13日 8時出航
繋留バース前のコンビニで物資補給し出航
関門橋下関側電光表示板はE-3
布刈神社前をじりじりと通過
弱い西風にヘッドセールを開く

NHKの予報に午後早い入港を決めて筑前大島を通過

玄海島にコースセット
博多都心はガスの彼方
さらに奥の内陸部上空に発達中の積乱雲は次第に暗くなって来た
「雷に巻かれる前に逃げ込むゾ!」
玄海島まで10海里程度 逃げ込める
しかし 雷雲は海上に出てこない
18時迷った末にコースを呼子に変更
烏帽子島の彼方へ沈む夕日を眺めていたら艇速ダウン

トランサムを覗くと何かを引きずっている
ボートフックで引き上げぺラを逆転で切り取り回収
魚網廃棄物の海洋投棄は困りもの

19時1GMは白煙を噴出しながら呼子に入港
漁港前桟橋 地元漁船に舫い 漁協自販機で氷をゲット
300円でスピンバック満杯
冷水で火照ったからだを拭いて冷えたビールを2本
呼子までレグが伸びたので明日は大村湾
帰郷で賑わう岸壁の喧騒も 孤独な一日の終わりには心地よい


8月14日 5時起床
薄暗い港は早くも活気付いている
ぺラには魚網が巻きついたまま
早朝の海に飛込む体力は最早ない
6時 問題は先送りで出航
波戸崎を越えると視界は1海里
汐に乗って本船航路で平戸にコースセット
白煙の1GMはヒート気味
10時逆汐の平戸海峡に乗り込み連絡船ポンツーンに舫う
TAXにお願いして近くの釣具店へ
水中眼鏡とシュノーケルをゲット
カッターナイフで魚網を切り取り即出航
平戸大橋下 対地1ノット フルスロットル
海峡を抜けた九十九島は最高のクルージング
拡大画像

クオーターの風10ノット 青い空にビールが旨い
14時 針尾瀬戸
転流前の緩い流れに乗って西海橋下を通過
拡大画像

澱みの様な大村湾ではトレーニング中のセールが見える
拡大画像

HTBヨットクラブにコンタクト バースの指定を受ける
マリーナは既に満杯に近い
15時 Bバースに繋留
両サイドバースには「萩レース」でのお馴染みさん
拡大画像

各地から参加したレースフリートは3年前とかなり様変わり
最新鋭の艇を含め新しいデザインの艇が多くなった
拡大画像

別府湾の奥は新しい波がなかなか届かない
時代の変化と自身の高齢化?を感じてしまう
17時 陸上班と合流
クラブハウスでエントリー手続きをして帰路につく

高速道路で2時間少々
ハウステンボスは遠くない。

つづきをお楽しみに・・・

戻る

戻る